『赤の肖像』の為だけに『ジージェネレーション ワールド』を買って良かった
『赤の肖像』を見ました。
シナリオ・福井晴敏、出演・池田秀一。
昨年の夏の、ガンプラ30周年記念ライブイベントの朗読劇の内容を改めてスタジオで撮りDVDにした 『SDガンダム ジージェネレーション ワールド』 の特典のものです。
仕事の都合や家の都合でライブに行けなかったので、こうやってDVDで見られるのは嬉しい限りです。
なのでゲームをあまりやらない私が、この特典の為だけにGジェネを買ったのでした。
--序章
池田さんの朗読が始まったとたん、そこにシャアがいました。
TV番組のナレーションで聞く池田さんの声、姿ではなく、シャアが。
『ガンダムユニコーン』で描かれるU.C.元年のテロ事件から始まり、一年戦争、グリプス戦役、第一次ネオ・ジオン抗争、第二次ネオ・ジオン抗争と、TVシリーズと劇場版やOVAの本編と、そこでは描かれない歴史を補完するようにゲームのアニメシーンが映し出され、そこにシャアが自身の人生を振り返る独り語りが重なります。
ガンダムのどのゲームだったか忘れましたが、グリプス戦役のラスト、ララァやアムロの再来と期待していたであろうカミーユの精神崩壊を感じたことで、第二次ネオ・ジオン抗争へと突き進むきっかけになったというシーンがありました。福井さんが劇場版の『新訳』ではなくTV版のカミーユが精神崩壊する方を採用したのは、おそらく同じような考察をしたからでしょう。
私もシャアがネオ・ジオンの総帥になる決意をしたのは『新訳』よりもTV版の方がすっきりくるので、そちらを採用してくれたのは嬉しい。
ミネバ様との謁見の場で、ミネバを偏見の固まりに育てたハマーンに激高するシーンを、ジンバ・ラルと自分の姿を重ねていたと、やはり私と同じ考察をしていたのが嬉しい。
一点違ったのが、「ハマーンと関係を持った」というところ。
ハマーンのシャアへの固執、執念が、まるで自分を捨てた不実な父親をなじる娘のようで、アルテイシアが「兄を殺さなくては」と言うのと似ている気がするのです。
処女の潔癖さを感じるというか、だから男女の関係にあったというのは違う気がする。その辺は、男性の福井さんと女性の私とは感じ方が違うからなのでしょう。
この朗読劇の中で一番感動したのが、第二次ネオ・ジオン抗争のラスト、サイコフレームのオーロラに包まれるシーン。
時が見える--
良かったね、シャア。
ララァと同じように、時を見ることが出来て。
迷いも肉体も全て無くなり解放されることで、「なりそこない」ではなく真のニュータイプとしてララァと同じように時を見ることが出来たのだと思いたい。
そんなシーンにしてくれてシャア好きとしては「こんなに嬉しいことはない」。アムロのセリフだけどさ。
その後「器」としてのフル・フロンタルに続きますが、私の中でのラストはここまで。
あっと言う間の100分で、この特典の為だけに『Gジェネ』 を買って本当に良かった。
DVDで見て、ライブで見られなかったのがよけい残念に思いました。
特典DVDに収録されている、評論家・氷川竜介さんの対談の中で福井さんがライブでまたやりたいと話していますが、叶うならライブで見たい!
ライブで見たいよ〜!!
あ、ちなみにゲームは、夫が「休憩時間にやる」と言って会社に持って行っちゃいました。